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『銃・病原菌・鉄』を読んだ話

ジャレドダイアモンド作『銃・病原菌・鉄』を読み終えました。長編と言われる本作ですが、購入履歴を見返すとKindleで購入したのが2018年2月となっていたので、購入から読了まで実に2年4ヶ月経過したことになる・・・。その間、結婚式やったり子供生まれたり人生における大事なイベントがあったんだなーとか思いつつ、この大作を読み終えたことに少し感動しております。やりました私。

さて、ページ数が多いことで知られている本作ですが、内容はいたってシンプルです。作者の友人であるニューギニア人のヤリさんは、読者に鋭く問います。「白人は沢山の優れたものをニューギニアに持ち込んだけど、なんでニューギニア人が白人たちの地へ、ものを持ち込まなかったのか?」

この問いに対し作者は、優位性は人種に依存するのではなく、ただ単に彼らが住んでいた環境に依存すると答えております。環境に依存とは以下のようなことです。

  1. ユーラシア大陸は広くて横に長い
  2. 豊富な動植物の存在
  3. 豊富なので食物の貯蓄ができる
  4. 食物に余りがあるので、食物を作る以外の仕事が生まれる(文化の始まり)
  5. 文化が横に広がっていく(1.が寄与)
  6. 国(文明)の誕生
  7. 国(文明)で銃・病原菌・鉄などの開発(病原菌は文明形成のなかで発生)
  8. これを持っている人たちが持っていない人たちを征服

以上の繰り返しが歴史であり、そしてニューギニア人がものを白人たちの地へ持ち込むのではなく、白人たちがニューギニアへものを持ち込む結果へと繋がっていったのだそうです。「持つもの」が長い長い年月を経て雪だるま式に得をすることで、「持たざるもの」に対し圧倒的有利な立場を築き上げるわけですね。もちろん「持つもの」達は何も選ばれた人種というわけではなく、ただただ良い場所に居たというそれだけのことなのです。

ということで、今一つわかることは、人種間に優劣があるといって何も卑下する必要はないということです。たまたま歴史の結果、社会的に有利な人たちがいるのは事実ですが、一個人としてそれを理由に落ち込む必要はないのだと解釈しております。自分らしく居られれば全然OK。逆に心配なのは「持つもの」と「持たざるもの」の差ですね。これ、「持つもの」は勝手に永遠と成長し続ける=格差を生み出しているとも考えられますね。「持たざるもの」はどうすれば良いのか・・・。

んで、さらにこの結果を実生活に置き換えると、やはり成長には周囲の環境は欠かせないってことになりますよね。人の意思とか特性どうこうより、まずはその環境に身を置くことで、ある程度人は成長するんじゃないかと思ったりします。海外の言語を学びたかったら日本で勉強するのでなく海外で生活する、サッカーが上手になりたかったら上手い人たちのなかでプレーするなど、ですかね?私も小銭を大切にして、習い事や本の購入をためらったりするのですが、それじゃあきっとダメですね。本当にやりたいことや成長させたいことがあるのであれば、ある程度お金をかけて環境を揃えないと。

身に染み入ります。